ドイツのファッション企業S.OLIVER GROUPにおけるCentric Software® PLMプロジェクトは、2023年で3年目を迎えます。S.OLIVERは、物理的な化学物質検査プロセスをCentric PLM™と連携し、トップ100のベンダーを統合、品質検査の全工程をPLMで行うことを目標としています。PLM導入から3年が経過し、S.OLIVER GROUPはコストを劇的に削減し、プロセスの効率化とビジネスのDXをさらに進めてきました。
「Centricのツールを使うということは、業務効率を高めるだけでなく、考え方にも働きかけるということを意味します。プロセス思考、協業、信頼が、導入プロジェクトと日々のソリューション活用における重要な成功要因です」とS.OLIVER GROUPの最高執行責任者（COO）、Oliver Hein氏は語ります。
2020年にパンデミックのためにロックダウンが実施される中、ドイツのファッション企業S.OLIVER GROUPはCentric Softwareの製品ライフサイクル管理（PLM）ソリューションをわずか4ヶ月で900人のユーザー向けに、完全リモートで導入しました。S.OLIVER GROUPは、Centric PLMの3Dテクノロジー、品質検査、商品プレゼンテーションモジュールの活用で、ビジネスをデジタル化し、クリエイティブなアウトプット、プロセスの効率化、コスト削減、商品品質の向上を達成しています。
Centric PLM採用に先立ち、S.OLIVER GROUPは10年前のレガシーシステムの置き換えを図っていました。パンデミックにもかかわらず、S.OLIVER GROUPとCentric Softwareのプロジェクトメンバーは迅速に、少人数のグループによるリモートでのCentric PLM導入ワークショップと作業を繰り返して実施しました。
「プロジェクトメンバーは、2週間から3週間のショートスプリントを定義し、スプリントのレビューのために再度集まり、作業を実施することを繰り返しました」とHein氏は説明し、続けます。「非常に困難な面もありましたが、最終的にはシステム刷新の大成功を収めました」
S.OLIVER GROUPがCentric PLMを選んだ理由は、4つのブランドにまたがったプロセスの整備を実現するための、すぐに使える機能と性能でした。2023年の初めには、Centric PLMの最新バージョン7.5を導入し、品質検査モジュールと商品プレゼンテーションモジュールのロールアウトを完了しました。
S.OLIVER GROUPでは、どのようにCentric PLMを活用し、アイデアから顧客までの一気通貫の商品化ジャーニーを変革し、運用コストを徹底的に削減しているのでしょうか？
デザインスタジオとローリングラックから3Dテックデザインと販売への移行
3Dテクノロジーにより、S.OLIVER GROUPは、物理的なサンプル作成、マニュアル作業、輸送費や税関費用、写真撮影など、コストと時間を消耗するプロセスから脱却できました。2022年には、物理的なスタイルが大幅に削減され、削減数は年々大きくなる予定です。
同社における最も重要な導入課題は、デザイン部門と販売部門における2Dから3Dイノベーションへの移行でした。企業文化の転換が必要になり、関係者の賛同を得るために苦心しました。
「今までのところ、デザイン部門と販売部門は新しいプロセスを受け入れ、取り入れています」とHein氏はコメントします。「新しいシステムと仕事の進め方を導入するには戦略が必要であり、企業には考え方や文化があります。これらを一つにまとめる必要があるのです」
トップ100ベンダーの統合
Centric PLMプロジェクト開始から3年で、同社は上位100社のベンダーのうち80社をシステムに統合し、2023年末までに100社すべてを統合する予定です。ワークフローの簡素化、時間の節約、コスト削減が実現しました。
Centric PLMのおかげで、S.OLIVER GROUPはトップベンダーとの協業を深め、スプレッドシートやメールを使う必要はなくなりました。
Hein氏は「ベンダーとの協業に対する当社の考え方を変え、彼らとともにCentric PLMを迅速に導入する必要がありました」と話します。
現在、トップベンダーとの合理的かつオープンで透明性の高い関係を重視しています。上位100社をCentric PLMに統合し、3Dテクノロジーと連携することが可能です。」
Centric PLMが一気通貫の商品化プロセスを刷新
S.OLIVER GROUPは、Centric PLMと3Dテクノロジー、品質検査、商品プレゼンテーションモジュールによって、一気通貫の商品化プロセスのDXを推進しました。
現在、デザインのキックオフは3Dで行われ、デザイナーは物理的なムードボードではなく、デジタル・ムードボードを作成しています。完全に統合された商品プレゼンテーションモジュールにより、ブランドからの要望を即座に更新することが可能です。ルックブックやカラーに再利用できるテンプレートを作成、ドラッグ＆ドロップ機能で、作業の迅速化が可能となり、季節ごとの変更も効率化されました。
品質検査に関しては、S.OLIVER GROUPはすべてのデータをCentric PLMに保存することで、プロセスを効率化しました。「以前使っていた化学物質検査データベースのライセンス料が削減され、検査コストを最適化できました」とS.OLIVER GROUP 品質保証部長のTobias Killer氏は語ります。「1つの素材を様々な国の様々なベンダーが使用し、規制物質の検査が必要であれば、PLMが検査範囲を最適化します」
S.OLIVER GROUPの卸売フランチャイズ事業のほとんどが、B2Bシステムを通じてすべての発注を行っています。販売部門ではデジタルトランスフォーメーションが進んでおり、このプロセスの抜本的な効率化も実現しています。すでにS.OLIVER GROUPは、すべてのコードをPLMに保存しているため、重複入力やマニュアル作業が不要になり、リソースの節約が進行しています。営業部門は、依然ショールームで新しい革新的な素材や生地のサンプルを提示しているものの、販売を完全にデジタル化する道は定まっています。
Centric PLMは、S.OLIVER GROUPのB2C営業にとっても画期的なツールです。すべての商品データが集約されたレポジトリに保存され、変更がリアルタイムで行われるため、PLMに保存された商品情報は、マーケティング、販売、ソーシャルメディアそして最終消費者のチャネルへと迅速に転送されます。
「端的に言えば、一気通貫のプロセスを主にCentric PLMで管理しています。データの入力ポイントを1つにし、異なるシステムに冗長なデータを置かないという、明確な目標があります」。
Centric PLM
