California

655 Campbell Technology Parkway,
Suite 200
Campbell, CA 95008 USA

Phone: +1 408 574 7802
Fax: 1 408 377 3002

すべての記事

BOM(Bill of Materials)とは?構築の重要性、目的、種類やメリットを全て解説

1 分で読めます
BOMとは?
TwitterFacebookLinkedInWhatsApp

BOM(Bill of Materials)または「部品表」とは、製造業などで製品を作る際に必要な部品などの情報を把握するための基本情報です。本記事では、BOM(ボム)の意味や種類、システム化でもたらされる企業へのメリットなどを分かりやすく紹介しています。

BOM とは?

BOM とは、「Bill of Materials」の略称(正式名称)であり、日本語訳では 「部品構成表」と呼ばれています。また、製造業界では「部品表」とも呼ばれ、各部品やパーツの情報や必要な部品がどのように作成されているかをまとめたものであり、製品の開発時に必要な重要な基本情報です。

BOM(Bill of Materials)とは?

製造時に必要なBOMが一定の段階で完成した後、部品表は社内の設計や製造を担当する部門に渡されるため、工程管理の最初から最後まで欠かせない存在です。また、BOMは一部の製造業だけではなく、アパレル業界化粧品業界、家電業界までさまざまなモノづくりで必要です。

そのため、BOM では情報が適切に可視化されていることが重要であり、アナログな手法であるエクセルなどではなく、BOM をシステム化し、情報を一元管理して運用することが非常に重要となってきます。

BOMの重要性と構築の目的

先ほども説明した通り、BOM の重要性とはモノづくりに欠かせなく、BOM を構築しない限りには、部品の組み立ても製品の開発も非常に難しくなります。BOM の主な構築目的としては、部品の管理を効率的に行うことがメインの目的です。部品の管理を効率化させることによって部品数や手配する時期などに対するミスを防ぎ、生産管理そのものによりプラスな効果が現れます。

BOMの重要性

2種類のBOMの管理方法

BOM には2種類の管理方法が存在し、ひとつは「ストラクチャー型」もうひとつが「サマリ型」に分類されます。

ストラクチャー型(部品構成表)とは?

ストラクチャー型の BOM では、親子関係を階層構造で管理します。完成した製品を「親」とし、そして各部品を「子」として階層を分かるのがストラクチャー型です。

ストラクチャ型BOMの図解

サマリ型(部品表)とは?

サマリ型の BOM とは、部品を製造する際に必要な部品などを一覧表として並べてまとめたものを示します。サマリ型では、製品の組み立てなどの手順に関係なく、必要な部品をリスト化するのが基本です。

サマリ型 BOM の図解

他のBOM種類一覧

この2つの種類以外にも以下の BOMの種類も存在し、部門や業務によって種類が異なりますので覚えておきましょう。

  • 設計 BOM(Engineering-BOM)
    設計 BOM(E-BOM) は、商品のデザイン中に開発されるモジュール構成であり、完成品のデザインを定義するものです。多くの場合、エンジニアがCADソフトウェアで作成し、通常は商品の技術的な図面データ、品目、パーツ、主素材、副資材が含まれます。
  • 製造 BOM (Manufacturing-BOM)
    製造業 BOM (M-BOM) は、製造工程において使用されます。最終品を製造するために必要な品目と工程を特定するものです。
  • 購買 BOM (Purchasing-BOM)
    購買 BOM(P-BOM)とは、発注に使われる種類のBOMです。
  • 販売 BOM (Sales-BOM)
    販売 BOM (S-BOM) は、顧客から注文された商品を開発するために必要な材料および構成品目をリストアップしたものです。販売BOMは、注文書から作成され、販売管理に必要な情報が記載され、完成品と構成品目の両方が含まれます。

システムを導入してBOMを構築&管理するメリット

BOMの構築時に Excel や手書きで部門ごとに作成すると、各部門で同じ修正作業を繰り返すことになります。また、認識にずれが発生するというトラブルもよく発生し、最終的には部品が不足することもあります。

こんなトラブルを避けるために システム導入を行い、BOM を各部門で共有することにより、製品の設計、製造の情報一元化が実現します。

さらに、BOM のシステム化により情報の可視化もちろん、生産管理システムとの連携も可能になり、E-BOM などを BOM管理システム上や PLM上で作成し、その情報をもとに M-BOMやP- BOMを生産管理システム上で作成することができます。これによって、設計全ての最適化が実現します。

BOMのシステム化

BOM システム導入の課題

モノづくりを効率化するためには、BOM(部品表)を構築し、全ての部品やユニットに品目コードを付ける必要があります。また、コードだけではなく、部品の名称や分類についても検索がしやすい属性で決めておくことが重要です。こうした作業は過去に製造したモノも含める必要があり、作業にとても手間がかかってしまいます。

システム導入をスムーズに進めるためには社内で品番の採番ルールを統一することが重要であり、さらに、管理する品番を整理する際には、共通部品や材料、在庫管理が必要な品番など、優先順位をつけて整理することがポイントです。

まとめ

BOM(Bill of Materials)は製造業で製品を作る際に必要な部品などの情報をまとめた基本情報です。この記事では、BOMの意味や種類、そして企業へのメリットについてご紹介しています。2024年現在、海外では DX をサポートするツール上で部品表をまとめる企業が増えていますが、日本国内ではまだExcelや紙で部品表を作成するケースも多いのが実態です。

BOM は製品の開発に欠かせない重要な基本情報であり、製造時に必要な各段階で完結しつつ、部門横断で最初から最後までの工程管理に不可欠です。BOM のシステム化には情報の可視化が重要であり、各部門で共有することで製品の設計や製造の情報を一元化することができます。また、BOMのシステム化により生産管理システムとの連携も可能になり、設計の最適化が実現します。そして、BOM の構築には課題もあり、品番の採番ルールの統一や品番の整理が重要です。