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ミズノ、Centric PXMを活用したコンテンツ起点のDXで、ブランド価値向上とD2C強化を実現

100年以上にわたり、ミズノは総合スポーツブランドとして競技用具、アパレル、シューズから生活雑貨、ワーカー向け製品まで幅広く展開してきました。国内外合わせて約20拠点で事業を展開し、グローバルに統一された「ワンブランド」戦略を推進。世界中のアスリートと消費者に高品質な商品とブランド体験を提供しています。

全社定着 商品情報検索が日常業務として浸透
業務効率化 EC登録作業が複数地域で大幅削減
大規模運用 数十万SKUを統合管理しグローバル展開を加速

「 私たちが取り組んだのは、コンテンツ起点のDXであり、PIMによる“情報のサプライチェーンDX”です。商品情報が整うことでブランド体験が向上し、D2Cを強化しながら、未来のAI活用につながる土台も築くことができました。 」 — 芹澤 剛氏, ミズノ株式会社,グローバルデジタルDTC統括本部 at Mizuno

課題

  • 国・地域・部門ごとに分散し、非効率な商品情報管理
  • EC商品ページに十分な情報が載らず、ブランド体験にばらつきが生じていた
  • 誤情報・手戻り・更新遅延による返品や業務負荷が発生
  • D2C強化に不可欠なブランド体験の統一が困難
  • マーケティングリソースの不足により本来行うべき施策に注力できない

効果

  • グローバルで統一された商品情報基盤を確立
  • 全社の業務に商品検索・デジタルアセット活用が定着
  • 各地域でEC登録作業が大幅に効率化し、工数削減を実現
  • 商品ページ品質の向上によりD2C強化と会員基盤成長に寄与
  • 国・地域によるブランド体験のばらつきを解消へ
  • AI時代のパーソナライズ体験に向けたデータ基盤を構築

ミズノでは、グローバルに展開する多様な製品群の情報管理が、長年の課題となっていました。SKU数は数十万点にのぼり、部門や拠点ごとに異なる形式や場所で管理され、共通の商品マスタは存在しませんでした。その結果、EC商品ページの情報不足や誤情報、情報収集や更新作業の非効率といった問題が日常的に発生。グローバルで統一されたブランド体験を実現するためには、抜本的な変革が必要でした。

100年以上の歴史に裏打ちされたグローバルブランドとしての課題

1906年創業以来、ミズノは「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、競技用具、アパレル、シューズから生活雑貨まで展開領域を拡大してきました。現在は国内外約20拠点で事業を行い、海外売上比率も高まるなか、グローバルで統一された「ミズノブランド」を届けることが重要なテーマとなっていました。

その中でも、ブランド戦略の中核となったのが D2C(Direct to Consumer)。
商品情報から購入体験までを自社で一貫して提供し、ファンとの長期的な関係を築く取り組みが求められていました。

しかし「ブランド体験の入口」である商品情報の管理が障壁となり、ミズノは抜本的な改革に踏み切ります。

膨大な商品情報をPIMで統合管理: コンテンツ起点DXの第一歩

ミズノのグローバルデジタルDTC統括本部 グローバルデジタルDTC統括担当の芹澤剛氏は「展開している商品ジャンルや商品数が膨大で、正直にいうと以前は正確に把握しきれていませんでした。 SKUでいえば数十万に達します」と語ります。

同社の従来のデジタル施策は、情報システム、デジタルマーケティング、ECなど個別の部門がそれぞれに進めており、情報管理は各部・各販社Excelでの作業がベースで、グローバル共通の商品マスタも存在していませんでした。

そのため、各国のEC担当者は商品ページを作成するために、企画資料、画像フォルダ、マーケティング資料、営業部門の内部文書など、複数の場所から情報を集める必要があった。情報更新が追いつかず誤った情報が掲載されることもあり、その結果として返品対応が発生するケースも少なくなかった。

「商品情報の管理は、本来ブランド体験の入口であるべき。ところが当時は、情報そのものが体験の阻害要因になってしまっていたのです。」と、グローバルデジタルDTC統括担当の芹澤剛氏は振り返ります。

PIMにDAMが統合された利便性を高く評価

半年ほどをかけ国内・海外でヒアリングを重ねて問題点・改善点を整理し、ソリューション検討を始めたのは2018年のことです。重視したのは、コロナ禍以前からECが大きく伸長していたため、商品情報と画像や動画等のデジタルアセットをまとめて管理できるかという点。

芹澤氏は「それまでは商品情報のテキストと画像が別々に管理されていました。この状況では、テキストはこちら、画像はあちらと探し回らなければならないため、とにかく統合管理したいというニーズが強かったですね。また、日本国内だけでなく海外拠点でも商品情報を扱うので、インターフェースが多言語対応であることも重要でした」と指摘します。

検討の結果、採用したのがCentric PXM (旧Contentserv)です。3社のソリューションを比較した結果、選定に至った理由について芹澤氏はこう語ります。

テキスト情報を管理するPIMと、画像・動画を管理するDAMが1つのプラットフォームに統合されている点が、最も評価した部分でした。PIMとDAMがバラバラではそれぞれを紐付けるためにまた大変な作業が発生しますから、その必要がないのは大きなアドバンテージです。それに加えて費用対効果にも優れており、機能とコストのバランスが当社のニーズに最もマッチしていました」

グローバル展開の拡大に向けた“道路整備

ミズノでは、まず特定の商品カテゴリや販売チャネルから導入を進めました。2019年冬から実装を開始しすぐにDAMによる商品画像やマーケティングアセットのデリバリを開始し、その後、フットウエア領域から海外販社への統一フォーマットでのPIM情報提供を実装。これにより、世界中の拠点が同一品質・同一鮮度の画像と商品情報を利用できるようになり、ブランド表現の統一に向けた基盤が整いました。

2023年には国内全商品の情報管理をスタートし、日本では、公式オンラインストアや展示会システムなどのシステムと連携。営業・事業部門でも検索利用が広がり、商品検索が日常業務として定着しました。

ヨーロッパではロールモデルの確立に加えて、Owned ECとのデータ連携や商品ページ情報の自動作成が実現した。ERPマスターとの連携が進むなど、グローバルでの活用が一気に広がりました。

こうした取り組みは単年度のプロジェクトにとどまらず、グローバル規模で商品情報の統合管理と活用をさらに深化させる道路整備と位置付けています。

情報の整流化が生んだ業務変革とブランド戦略への貢献

Centric PXM による情報の整流化は、業務の質を大きく変えました。最大の変化は、商品情報を扱う日々の業務が、これまでの“守りの運用” から“攻めのマーケティング” へと発展した点にあります。

これまで情報探索に追われていた担当者の負荷は大幅に軽減され、商品検索の仕組みは全社での標準的な業務プロセスとして定着。EC登録作業も各地域で劇的に効率化され、誤情報や手戻りの発生はほぼ解消されました。

こうして生まれた余力は、マーケティングや商品訴求の強化といった “攻めの活動”に再配分され、商品ページの質が大きく向上しました。CLUB MIZUNO の会員増加、EC売上比率の改善、ブランド体験の統一へとつながり、国内外の売上成長を支える基盤が形成されました。

また、画像や商品説明文が自動的に最新化される仕組みが整ったことで、誤った情報が消費者に届くリスクも大幅に低減しています。

さらに芹澤氏は、プロジェクト推進における「組織文化変革」の重要性に触れ、「PIMプロジェクトはシステムの話ではなく、部門間の業務プロセスを横断して「情報のサプライチェーン」を再設計する取り組みです。」と語ります。

AI活用に向けた未来のブランド価値創出へ

ミズノは今後、PXMに蓄積された構造化データを活用し、AIによる商品レコメンドや説明文生成、パーソナライズ体験の強化など、新たな価値創出へ踏み出そうとしています。

「PIMで整備されたマスターデータとトランザクションデータは、AIが学習し価値を生み出すための素材そのものです。D2C戦略だけでなく、今後のブランド価値向上にもつながる重要な資産になります。」と芹澤氏は語ります。

ミズノのコンテンツ起点のDXは、商品情報から始まり、ブランド価値と顧客体験を支える新たな企業基盤へと進化しました。
そして今、グローバル企業としての次のステージ、すなわちAIを活用したブランド戦略の深化に向けて歩みを進めています。

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