ファッション業界の次の一手:Centric Connect Tokyo Fashion 2026 開催に向けて
AIによって市場はかつてないほど「見える化」されました。トレンド、価格帯、競合動向など、意思決定に必要な情報は、すでに手の中にあります。
しかしその一方で、「見えているのに動けない」という課題を感じている企業も少なくありません。
なぜ、これほどデータが揃っているのに、商品戦略は変わらないのでしょうか。
その背景には、商品企画・開発・販売に至るプロセスの分断や、データが意思決定に活かされていないという構造的な課題があります。
本記事では、ファッション業界が直面しているこうした変化と課題を整理しながら、AI時代に求められる商品戦略の考え方と、その実現に必要なデータ基盤について解説します。
そして、4月24日に開催されるCentric Connect Tokyo Fashion 2026に向けて、その理解をより深めるための視点をお届けします。
Centric Connect とは?
Centric Connectは、Centric Softwareが世界各地で開催しているグローバルイベントシリーズです。ファッション・小売・消費財業界のリーダーが集まり、市場の変化、商品戦略 、データ活用、実際の導入事例を共有する場として位置づけられています。
日本では、2022年からCentric Dayとしてスタートし、東京と大阪での開催を通じて、実際の導入事例 、プロジェクトのリアル 、業務改革の進め方について共有され、現場視点の知見が蓄積されてきました。
現在は、Centric Connectとして、実際に参加したユーザー企業同士が、同じ課題を共有し解決のヒントを持ち帰る場として活用されています。
そして、今回のCentric Connect Tokyo Fashion 2026は、ファッション業界に特化したイベントとして開催されます。
また、Centric Softwareのソリューションポートフォリオに Centric PXMが加わり、 商品開発だけでなく、市場分析〜販売までの「全体最適」に向けた取り組みやベストプラクティスを紹介します。
「本当に現場は変わるのか?」
その答えは、すでに取り組んでいる企業の声にあります。
昨年のCentric Connect Tokyo 2025の参加者からは、次のような声が寄せられています。
すべての情報が見える化され、関係者に即座に共有される。 企画進捗のプロセスが可視化できる点が非常に良いと感じました。
株式会社オンワードホールディングス
DX推進室 部長 加藤 純氏
唯一の最新の正解がここにある”と分かることが重要。 必要な人が、必要な情報を、必要なタイミングで見られる。 そうした環境を実現できる可能性を感じました。また、課題の根本は共通していて、『わかる』という共感が多かったです。
ミズノ株式会社
グローバルデジタルDTC統括担当 芹澤 剛氏
今の業務を本当の意味で変えられるような仕組みづくりを一緒にしていくことを期待しています。イベントでは、同じ課題を持つ企業と直接話ができ、非常に学びがありました。
東レ(香港)有限公司
業務推進部 ジェネラルマネジャー 岸 耕太郎氏
昨年の注目セッション: 変革を選択した企業の決断とは 〜DXの壁と、その乗り越え方〜
昨年のCentric Connect Tokyoでは、ミズノ、オンワードホールディングス、東レといった、バリューチェーンの異なる企業が登壇し、DX推進のリアルについて議論が行われました。
印象的だったのは、どの企業においてもDXの出発点が「理想」ではなく、「限界」だったという点です。業務の属人化や人手依存、分断されたデータにより、成長に対して現場が追いつかなくなっているという危機感が、変革の意思決定につながっていました。実際に、商品進捗やコストが即座に把握できない、開発業務が人手に依存しているといった課題が共有されていました。
また、議論の中で繰り返し強調されたのが、DXは単なるシステム導入ではなく「組織の変革」であるという点です。特に、経営層の関与や、現場を含めた社内の巻き込みが不可欠であり、投資対効果をどう全体視点で説明するかが重要であることが語られました。
さらに、成功の鍵として挙げられたのが業務プロセスの可視化です。多くの企業で「わかっているつもり」の業務が、実は全体として整理されていないという課題があり、それを可視化し共通認識にすることが、変革の第一歩になると指摘されました。
そして今後の方向性として、AI活用やデータ基盤の重要性も共有されました。ただし、その前提となるのは整備されたデータであり、分断された状態ではAIは機能しないという認識も共通しています。
このセッションを通じて見えてきたのは、DXに完成形はなく、小さく始め、改善し続けることが重要だということです。そして何より、変革を前に進めるのはテクノロジーではなく、人と意思決定であるという点が強く印象に残る内容となりました。
グローバル視点から見える、日本企業の課題とは
昨年のセッションでも触れられていたように、DXの本質は単なるシステム導入ではなく、経営や組織の変革にあります。では、その変革をさらに加速させるために、日本企業は何を意識すべきなのでしょうか。
そのヒントとなるのが、グローバル市場の視点です。
セントリックソフトウェアのテレサ・ジャンと、日本オムニチャネル協会 理事 逸見光次郎氏による対談では、日本企業が直面している課題がより明確に語られています。
この対談では、特に以下のポイントが強調されています。
まず、日本企業は国内視点に偏りがちであり、アジアをはじめとしたグローバル市場のスピードに対する認識が不足している点です。東南アジアの企業はすでに高度なIT活用を前提に、商品開発や市場投入のスピードを徹底的に追求しています。
また、日本企業特有の「縦割り構造」は、組織内の効率性を高める一方で、部門間の情報分断を生みやすく、全社的な意思決定を遅らせる要因にもなっています。重要なのは、縦の強みを活かしながら、横の連携をどう実現するかという点です。
さらに、変革を実現するうえで不可欠なのが、経営層の意識改革とデータ活用です。現場の課題を正しく理解し、データに基づいた意思決定を行うことができなければ、変革は部分最適にとどまってしまいます。
こうした視点は、昨年のCentric Connect Tokyoで議論された内容とも共通しています。
すなわち、DXの課題は企業ごとに違うようでいて、本質は共通している、そしてその解決には、グローバルの視点とデータ活用が不可欠である、という点です。
この流れの中で、次に重要になるのが、そのデータをどうつなぎ、どう活用するかという視点です。
次に、その基盤となるCentricの考え方について見ていきます。
Centricとは?AI時代の商品戦略を支える基盤
Centric Softwareは、商品企画から販売までを一気通貫でつなぐプラットフォームを提供しています。
しかし現在、単にシステムを導入するだけでは競争力にはつながりません。市場の変化が加速する中で求められているのは、AIとデータをいかに商品ライフサイクル全体に組み込むかという視点です。
ファッション・小売業界では、すでにAI活用が現実のものとなっています。トレンド分析や需要予測にとどまらず、商品開発、在庫最適化、価格戦略、顧客体験まで、意思決定のあらゆる場面に影響を与え始めています。AIはもはや補助的なツールではなく、競争力そのものを左右する基盤へと変わりつつあります。
一方で、多くの企業ではこうしたAI活用が思うように進んでいません。その理由はシンプルで、データが分断されているからです。AIは構造化され、部門を横断してつながったデータがあって初めて機能しますが、現場では依然として情報がバラバラに管理されているケースが少なくありません。
その背景には、これまで多くの企業が依存してきた業務の進め方があります。例えば、プロジェクト管理ツールはタスクや進捗を管理するには有効ですが、商品仕様や原価、サプライヤー情報といった“商品そのもののデータ”を統合的に扱うことはできません。
その結果、重要な情報が分散し、「どれが最新か分からない」「部門ごとに認識が違う」といった状態が生まれます。つまり、タスクは管理できても、商品は管理できていないという構造が、多くの企業に共通して存在しています。
こうした「データをつなぐ基盤」としてのPLM(Product Lifecycle Management)の重要性は、グローバルの最新動向からも明らかになっています。
PLMは、商品データ、開発プロセス、サプライヤー情報を一元管理し、商品を中心にすべての業務をつなぐ基盤です。単なる進捗管理ではなく、商品そのものを“共通言語”として全社で共有するという点が、プロジェクト管理ツールとの決定的な違いです。
この基盤があることで初めて、商品企画と開発、開発と調達商品情報と販売がつながり、AIが活用できる状態のデータが整います。
Centricが提供する価値
Centricは、PLMに加えて、市場分析(Market Intelligence)、MD・在庫計画(Planning)、商品情報管理(PXM)までを統合し、商品に関わるすべてのデータをEnd-to-Endで連携させます。
その結果、市場を理解し、商品を企画し、開発し、販売するという一連の流れが、データでつながるようになります。
- PLM(商品企画・開発)
PLMは、企画から開発、調達に至るまでのプロセスを一元管理し、部門間の連携を強化します。これにより、情報の分断や手戻りを防ぎながら、開発スピードと精度の向上を実現します。 - Planning(MD・在庫計画)
Planning(MD・在庫計画)では、過去実績や市場データをもとにした意思決定が可能となり、感覚に頼らない品揃えや数量計画を支援します。これにより、「売れる構成」を戦略的に設計することができます。 - Market Intelligence(市場分析)
Market Intelligence(市場分析)は、競合動向や価格、トレンドといった外部データを可視化し、市場をより正確に捉えるための基盤です。これまで経験や勘に依存していた判断を、データに基づいた意思決定へと変えていきます。 - PXM(商品情報管理)
そして、PXM(商品情報管理)は、商品情報や画像、コンテンツを統合し、ECやマーケットプレイスにおける顧客体験の質を高めます。正確で一貫した商品情報を提供することで、購買判断を後押しし、売上向上にも直結します。
このようにCentricは、PLMを中心に、Planning、Market Intelligence、PXMといった各領域を連携させることで、商品に関わるデータをEnd-to-Endでつなぎます。
商品を軸にデータがつながることで、企業はより速く、より正確に意思決定できるようになります。
Centric Connect Tokyo Fashion 2026では、これらの考え方を“知る”だけでなく、実際に企業がどのように変革を進めているのかを、具体的な事例として体感いただけます。
「自社ならどう活用できるのか」まで具体的にイメージできる機会です。ぜひご参加ください。